巣黒 慎太郎 スグロ シンタロウ

Shintaro Suguro

心理学部 心理学科

准教授

専門分野

臨床心理学、健康心理学、認知行動療法

研究テーマ

健康行動の形成、促進に関わる行動医科学的アプローチ

研究キーワード

セルフケア行動/変化ステージ/疾病認識

研究の概要

慢性疾患(がん、糖尿病など)とともに生きる人々のセルフケア促進をテーマにしています。特に、疾病をどのようなものとして認識しているかをアセスメントした上で、セルフケア行動への動機づけを促進し、生活習慣化された行動を自ら変容していくための行動医学的工夫に関心があります。また、その援助介入法として認知行動療法を専門としています。
病とともに生きるためにライフスタイルを変えることには「行動の科学」としての側面があります。人々の行動変容が生じる法則性と、それを適用しての臨床介入をしてどのように心身が改善されたかを明らかにするアプローチをしてきました。
一方で、病が身に降りかかり「患者」「病人」として生きてきたその人独自の人生体験の語りを敬い聴くナラティブなアプローチも大切にしています。生き方を変えるということは行動レベルのみならず価値観を変えることにもなりえ、「価値の明確化」が治療への動機づけ支援に有用であることも実践研究において明らかにしてきました。
その両アプローチを統合した実践として、同病患者グループワーク(語りあいの場)を開設し、セルフケア行動が阻害された日常生活場面に対しどのように対処したのかを語り披露してもらうことで、患者同士の支えあいのほか、他患者へのモデリング効果を狙う介入を行なってきました。
またこれまで長年、総合病院という医療現場で身体や精神の疾患を治療するチームの一員として携わり、多職種と協働するなかで心理職の独自性を発揮するということに関心をもち実践を続けています。
医療他職種が心理職に求めている働きや役割をインタビューや調査研究により明らかすることで、ニーズに適した働きを提供することができるようになり、よりよいリエゾン・コンサルテーションを実践していくための信頼関係という基盤を築くことにも繋がります。
多様な個別性を持った患者さんを臨床研究で接するには、心と身体、主観的体験(ナラティブ)と客観性(行動科学的法則性)という多面的な人間理解とアプローチが必要なため、理解の視点や援助介入の方法もより多角的かつ統合的なものを目指すことになります。その必要から、心理療法の各学派に共通する要因や有益な援助プロセスを探索しています。

著書・論文等

主な担当授業

発達心理学A/心理検査法実習/心理学的支援法/臨床心理実習Ⅰ・Ⅱ/卒業研究Ⅰ・Ⅱ

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