松田 光一郎 マツダ コウイチロウ
Matsuda Koichiro
健康福祉学部 社会福祉学科
特任教授
専門分野
障害(児)者福祉、精神保健福祉、職業リハビリテーション
研究テーマ
知的障害や自閉スペクトラム症のある人が地域社会のなかで安定して働き続けるための支援体制のあり方や実践モデルに関する研究
研究キーワード
知的障害/自閉スペクトラム症/障害者雇用/就労支援/継続的就労/対人援助
研究の概要
近年、民間企業における障害者の雇用数や雇用率は、毎年過去最高を更新しています。しかし一方で、精神障害のある人は、就職してから1年以内に約6割が離職してしまうという課題があります。その背景には、日本の障害者雇用政策が一般就労への移行、特に就職した人数を重視し、雇用率の向上に力を入れてきたことがあります。このため、就職するまでの支援は充実しているものの、就職後の定着支援が十分とはいえず、成果だけを重視する仕組みの問題が指摘されています。また、障害のある人の社会参加を促進するために、さまざまな対策や研究が行われていますが、その多くは企業の協力事例や成功例、統計データの分析にとどまっています。企業側と支援者側が十分に議論を重ねてきたとは言いがたく、特に対人関係やコミュニケーションに困難がある場合には、就職しても職場に定着できなかったり、再就職までに時間がかかったりすることがあります。その結果、自信を失ったり、働く意欲が低下したりすることも懸念されています。こうした状況から、障害者雇用の研究は、単なる学問的な発展にとどまらず、障害のある人が社会の中で尊厳を持って働けるよう、支援制度や実践方法の改善につなげていくことが重要だと考えられます。
現在の日本社会では、障害のある人の一般就労や職場への定着は依然として大きな課題です。今後は、長期的に安定して働き続けられる仕組みを整え、障害者雇用の「質」を高めていく必要があります。そのためには、「障害」という問題に対して、個人への対応だけや制度の議論だけに偏るのではなく、当事者が選んだ働き方を実現するために、必要な環境を継続的に整えていくことが重要です。そして、その具体的な方法や実践モデルを明らかにし、社会に提案していくための研究が求められています。
主な関心領域は、知的障害や発達障害のある人の就労支援、合理的配慮のあり方、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援、地域における継続的就労支援システムの構築などです。これらの研究を通じて、誰もが働きやすいインクルーシブ社会の実現に貢献することを目指しています。
著書・論文等
主な担当授業
精神保健福祉の原理/精神保健福祉制度論/ソーシャルワーク演習(精神専門)/ソーシャルワーク実習指導(精神専門)