筒井 茂喜 ツツイ シゲキ
Tsutsui Shigeki
教育学部 教育学科
教授
専門分野
保健体育科教育学
研究テーマ
非言語コミュニケーションの教育として体育の可能性
研究キーワード
非言語コミュニケーション/体育/共感
研究の概要
学校現場では「暴力行為」「不登校」「いじめ」問題で語られるコミュニケーション力の低下を「送り手」の言語メッセージによる発信力の低下と捉え、その力を高めることに指導の重点が置かれている。しかし,コミュニケーションを「送り手」の発信を起点とした言語コミュニケーションと捉えた場合,何かを伝えようとする意識が働き,それを言葉にして発信しない限りコミュニケーションは成立しなくなる.または,自分の思いを知られたくない,隠したいという意識が働けばコミュニケーションが成立しなくなる.「暴力行為」「不登校」「いじめ」,これらの問題で語られる児童・生徒は,一般的には児童・生徒集団から孤立し,他者との関わり合いが少ないという共通点を持っている.このような児童・生徒は,自分の思いや気もちを他者に伝えることが苦手,または,伝えたくても伝えることができない状況にあることが多い.
鯨岡(1997)は,「身体は表情を纏う」と述べている.すなわち,人は何かを伝えようとする意図がなくとも,自分の気もちを隠そうとしても「内面の情動の動き」は身体の表面に滲み出て,絶えず非言語メッセージとなって表出されるのである.「暴力行為」「不登校」「いじめ」,これらの問題で語られる子どもの身体も常に非言語メッセージを発していると考えられる.まず,問われるべきは,まわり(受け手)の非言語メッセージを「受信・解読する力」の低下ではないであろうか.
すなわち,「暴力行為」「不登校」「いじめ」の要因の一つとして語られる子どものコミュニケーション力低下の内実は,「送り手」の発信を起点とした言語コミュニケーション力の低下もさることながら,「受け手」の「受信・解読」を起点とした非言語コミュニケーション力の低下にあるのではないかと考えている.体育は非言語コミュニケーション場面が頻出する教科であり,その多くは感情の生起に伴って出現すると報告されている(日高,2015).
そこで,「暴力行為」「不登校」「いじめ」の問題で語られるコミュニケーション力の低下は,「送り手」の言語メッセージによる発信力の低下以上に「受け手」の非言語メッセージを「受信・解読する力」の低下にこそ問題があるのではないかと考え,非言語コミュニケーションの教育としての体育の可能性について研究している.
著書・論文等
主な担当授業
体育科概説/体育科教育法/体育科教材研究