柴田 明日香 シバタ アスカ

Asuka Shibata

看護学部 看護学科

助教

専門分野

老年看護

研究テーマ

身体拘束

研究キーワード

高齢者/身体拘束

研究の概要

関西電力病院在籍中より、せん妄発生患者を最小限にするための看護研究に取り組みだした。その後、健康問題や環境変化が高齢者に及ぼす影響について、さらに追及したいと考えた。
大学院では、一般病院における身体拘束についての実態調査を行った。高齢者は認知機能の低下、身体機能の低下による易転倒性などがあり、入院という環境の変化や入院に至った疾患による全身状態の悪化から、せん妄を起こしやすく身体拘束を受けやすいと考えたからである。一般病院では、身体拘束は治療上のやむを得ない行為と容認されている現状において、身体拘束の必要性を十分に検討する必要があり、やむを得ず実施する際には可能な限り短期間とすることが重要である。そこで大阪府北河内医療圏域の一般病院(協力施設21病院58病棟)で2週間の調査期間内に身体拘束を受けた高齢者について、身体拘束日数とそれに関連する高齢者の特徴を検討した。
研究結果から、入院時に他者への意思伝達ができる高齢者、指示が通じる高齢者も身体拘束を受けていたことが明らかとなった。入院による環境の変化や手術などによりせん妄を発症したことが否定できないこと、また認知症高齢者は記憶障害により時間が経過すると指示を忘れることがその理由と推測された。障害老人の日常生活自立度Cすなわち自立度が低い高齢者は身体拘束が長期間に及ぶことも明らかになった。調査期間中に身体拘束が終了した高齢者の身体拘束日数は、最短1日最長94日で第一3分位が4日であったことから、3~4日で身体拘束の必要性を見直し、解除について検討する必要があると考えた。
身体拘束日数13日をカットオフ値として分析した結果、14日以上身体拘束を受けた高齢者の特徴は、転倒・転落の危険性があることが認められた。転倒・転落を理由に身体拘束がなされる場合は長期間になっている現状があり、切迫性や非代替性について十分な検討が必要であることが示唆された。
今後は、一般病院で身体拘束の一時性と捉えている日数、身体拘束選択時の代替案の検討の有無、病棟での取り組みなどの実態調査を行う必要があると考えている。そして身体拘束開始時と解除時の高齢者の特徴を比較検討し、身体拘束日数を最小限にできる高齢者ケアを考えていきたい。

著書・論文等

主な担当授業

コミュニティ看護演習Ⅰ・Ⅱ/コミュニティ看護実習Ⅱ(老年)

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