栗原 伸公 クリハラ ノブタカ

Nobutaka Kurihara

家政学部 管理栄養士養成課程

教授

専門分野

衛生学

研究テーマ

食品および食品成分摂取による疾病予防(特に高血圧予防)/食育の在り方に関する疫学調査

研究キーワード

高血圧/カプサイシン/昆布/昆布だし/アルギン酸/予防/食習慣/食意識/主観的健康感/食育

研究の概要

 大学卒業後、衛生学・予防医学を志し、母校衛生学教室の和田攻教授の門を叩きました。その研究の礎とするために内科の臨床研修を受けました。その後、大学での研究の傍ら、市中病院で生活習慣病外来の診療をしていたときに、高血圧・糖尿病等の多くの患者さんの内服薬を徐々に減らすことに成功しました。そのとき、その病院の管理栄養士さんによる栄養指導の力を見せつけられました。それが、現在在籍する管理栄養士養成課程への異動とここでの研究に結びついています。できる限り薬の力を借りず、栄養と運動、生活習慣で、高血圧等の疾病を予防することが大学卒業以来の一貫した私の研究テーマです。
 本学では、かつてアメリカ留学の際にDr. O.A.Carreteroのもとで学んだ高血圧予防を中心に研究しています。具体的には、おもに食品と食品成分の摂取による予防とそのメカニズムの研究です。私は高血圧についてはある程度の知識を持ち、実験の経験は比較的多くありますが、食品等の機能に関しては全くの素人ですので、多くの卒論学生たちや、全員が管理栄養士でもある大学院生たちに教えてもらいながら進めているところです。食品成分のうちカプサイシンについては、複数の高血圧モデルラットの血圧上昇を抑制することを以前から観察していましたが、このメカニズムの一部にProtein Kinase Bと内皮性NO合成酵素(eNOS)が関与していることを当時大学院生だった瀬川悠紀子氏(現大阪成蹊短期大学講師・博士)が明らかにしてくれました。また、食品としては、昆布摂取が複数の高血圧モデル動物の血圧上昇を中程度抑制しますが、近年、当時大学院生だった丸山紗季氏(現神戸女子大学博士研究員・博士)がメカニズムに関するこれまでの定説に、多くの実験結果をもとに疑問を呈する新たな説を掲げてくれました。これらのほかにも、ジンゲロール、ヘスペリジン、食酢、ラッキョウ、昆布だし、かつおだしなどの高血圧予防効果を観察するとともに、複数の食品や食品成分の組み合わせによる相乗効果なども観察しており、それらのメカニズムの探究を行っています。そうして、将来、製薬のヒントにするだけでなく、管理栄養士の力により食事に上手に取り入れることで、日常の食事による高血圧予防実践の可能性につなげていきたいと思っています。
 上記の研究と併行して、母校衛生学教室において、非常勤講師であられた柳井晴夫大学入試センター教授から学んだ様々な統計手法を用い、また食育については本学の当研究室の元大学院生大瀬良知子氏(現東洋大学准教授・博士)に教わりながら、幼児や児童生徒の食習慣・食意識と健康の関連について幅広く研究してきました。これは今や私の研究テーマの主要な柱の1つとなりましたが、やはり食事と生活習慣による疾病予防の研究に含まれるといえます。
 今後も本学の学生・大学院生たち、また多くの卒業生たちとともに、これらの研究を楽しく進めていきたいと思っています。

著書・論文等

主な担当授業

公衆衛生学/(大学院)食品衛生学特論・演習/(大学院)生物統計学

シラバス

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