松岡 恵 マツオカ メグミ

Megumi Matsuoka

短期大学 幼児教育学科

准教授

専門分野

臨床発達心理学

研究テーマ

自己主張と自己統制

研究キーワード

親子関係/教育相談/発達臨床/子どもの心理と理解/相互独立的自己観と相互協調的自己観

研究の概要

私の研究上の関心は、教育や人間形成に関わる心理学です。その原点は、大学生の時、児童相談所が行う幼児発達支援のための母子教室に学生スタッフとして参加したことにあります。その時の出会いと学びが、今も私の臨床発達心理学の研究活動を支えています。
大学院修了後に、児童相談所の心理判定員として地域の幼稚園や保育園、福祉施設などを巡回し、複雑深刻な環境で育つ子どもや家族関係を知り、人間形成に関わる研究への思いを強くしました。そして県職員としての仕事や、学校での相談業務を務めながら、研究を深めてきました。現在は、公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士、認定描画療法士の資格を保有しています。
博士論文「相互独立的自己観と相互協調的自己観の発達についての臨床発達心理学的研究」では、日本的親子関係及び親の養育環境に焦点をあてながら、現代日本人の自己観の発達の様相を明らかにするための横断的調査研究と、子どもが認知する父親像、母親像と自己観との関連について検討を行いました。結果、(1)現代日本の青年は他者指向的であり、相互独立性の適度な発達が進路探索のエネルギーの基盤となること。(2)現代日本の成人が真の成人性を達成する入口は相互独立性が相互協調性と逆転する40歳前後であること。(3)心理療法や人との出会いによって成人後も自己観や他者への認知に変化がもたらされること。父親の存在や夫婦の関係性が子どもの自己観の発達に重要であること、などが示唆されました。
これからの研究活動の方向性としては、乳幼児、児童期、青年期の理解をより重層的に行う必要を感じ、特に幼児期の自己主張・自己抑制の傾向が児童期以降の相互独立的自己観と相互協調的自己観とどのように関連していくかについて縦断的研究の方途を探りたいと考えています。

著書・論文等

主な担当授業

保育の心理学/子ども家庭支援の心理学/子どもの理解と援助/幼児理解の理論・方法/教育相談の理論・方法

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