吉本 真由美 ヨシモト マユミ

Mayumi Yoshimoto

文学部 英語英米文学科

准教授

専門分野

英語学

研究テーマ

英語と日本語における比較構文の統語構造と意味解釈

研究キーワード

比較構文/統語論/形式意味論

研究の概要

私たちは普段、ことばを当たり前のように使用しています。特に母語は不自由なく使えるため、不思議な点があってもそれを見落としがちです。ですが、意識して見つめてみたとき、自分たちが駆使していることばには興味深い謎が溢れていることに気づきます。このように、ことばのあらゆる疑問に取り組む学問が言語学です。
言語学が対象とする分野は多岐に渡ります。例えば、音声や音韻、文構造や文法規則、あるいは言語の歴史的変化など、ここでは列挙しきれないほど多くの分野があります。それらの中で私自身は文の構造と意味解釈に興味があり、特に英語と日本語の比較構文に焦点をあてて研究しています。
英語の比較構文というとJohn is taller than Mary.などのように比較級を伴う構文ですが、面白い例がたくさんあります。

(1) The door is wider than the table is long.

(1)ではさきほどの例と異なり、thanの後ろに完全文が生じています。英語ではこのような表現ができますが、同じ構造の文を日本語で表してみると非文法的になります。

(2) *そのドアはそのテーブルが長いよりも広い。

日本語と英語との間になぜこのような違いが生じるのでしょうか。また、次のような例はどうでしょうか。

(3) He is as slim now as he was obese before.

この文は、彼が以前に平均と比べて太っていた程度と現在のやせている程度を比べて、それが同じくらいだということを意味しています。つまり、典型的な比較構文と異なり、平均から離れている度合いの大きさを比べています。日本語でも同様の言い方ができるでしょうか。もし言えないとしたら、それはなぜでしょうか。
様々な例を観察してみると、異なる言語間の相違点や類似点に驚くことが多くあります。上に記したのはほんの一例でしかありません。ことばは私たちにとって当たり前にある「ツール」であるからこそ、疑問視する機会はそう多くないのかもしれませんが、当たり前にあるものにこそ、調査の面白さが詰まっています。
単語への疑問でも構造への疑問でも、コミュニケーションに関する疑問でも、なにか「あれっ」とひっかかるところから研究は始まります。誰でもが使うことばというものを、改めて立ち止まって見つめてみませんか。

著書・論文等

主な担当授業

英語学入門/英語学特殊講義/英語史

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