Shinjo Lab教員・研究情報 - 神戸女子大学 -

被服造形学、被服材料学

布や被服のデザインと服づくり

繊維／布／衣服／寝具／パターン／CAD／縫製／アパレル設計

被服の快適さや審美性などの点から、材料の性能設計、アパレル製品設計に関する以下の研究を行ってきた。
1) 衣服設計のための布の性質に関する研究
婦人服は紳士服よりも布素材もシルエットも多種多様であり、布と衣服のデザインとの適合性の判断が衣服の良否を左右する。そこで、婦人服のシルエットをテーラード、ドレープ、はりタイプに分類されると仮定し、デザイナーの経験や勘による判断にかわって、布の力学特性に基づいて、布素材に適合する最適なシルエットを判別する式を誘導した。また、衣服の布地の動きの美しさと力学特性とを関係づけ、布素材の開発などにも応用するための基礎的研究を行った。一方で、密着して着るガードルをとりあげ、圧迫感、動きやすさや肌触りなどの着用感と生地物性との関係についての研究も行った。
2)被服材料中での熱・水分・空気の移動現象に関する研究
着衣系での熱・水分・空気の移動を大きく左右する材料特性としての通気性に関して、各種用途別の布の通気抵抗の値の範囲や特徴を明らかにしたほか、織物の繊維集合構造パラメータから通気抵抗を理論的に誘導し、性能設計に応用する知見を得た。また、織物の水分移動抵抗の繊維集合構造からの予測、衣服の着用状態を模擬した系での定常状態での布を通しての熱・水分移動の解析を行ない、布の通気抵抗、水分移動抵抗、熱抵抗などの材料特性や、布と人体皮膚間の空気層の大きさ、温度、湿度や風速などの環境条件の影響を調べた。さらに、被服材料の過渡的な熱移動特性として接触冷温感覚を客観的に評価する方法についても検討した。
3)寝具に関する研究
ふとんや防寒着の中わたなどの繊維集合体のみかけの熱伝導率、通気性、熱・水分移動特性などを測定し、これらの特性に及ぼす繊維形態や素材、繊維集合構造などの影響を研究した。また、各種枕の充填材料の熱・水分・空気の移動特性や枕の圧縮特性、寝心地との関連についても研究した。

繊維材料学／衣生活文化論／アパレルCAD入門