Shinjo Lab教員・研究情報 - 神戸女子大学 -

津田理恵子ツダリエコ

Rieko Tsuda

健康福祉学部社会福祉学科

教授

専門分野

高齢者福祉　介護福祉

研究テーマ

回想法　介護福祉士養成教育

研究キーワード

回想法／生きがい／対人支援／地域作り／認知症／360度映像／高齢者／コミュニケーション技術／生活支援技術／介護福祉士養成教育の課題

研究の概要

2007年から高齢者の福祉（生きがい）を追求する手段として、回想法の研究に取り組んでいる。特別養護老人ホーム入居高齢者へのグループ回想法の効果として多層ベースラインで調査を実施し、回想法を実施した直後はどのグループにおいても、生きがい感・意欲・認知機能・日常生活動作などに一時的な改善が認められたが、回想法を継続しないとその効果は持続しないことが確認できた。その後、地域の元気高齢者を対象にグループ回想法を実践し、生きがい感の向上などが確認でき、新たな人間関係が形成される中で回想法ボランティアとして社会参加が可能になっていくことが確認できた。これらのことから、元気高齢者が虚弱高齢者を支え共に生きがい感が向上できる地域作りに継続的に関わっている。
現在は、回想法の講座を通した地域作りのサポートや、360度カメラを活用して懐かしい風景を撮影し、VRゴーグルで視聴することによる利点と欠点を整理し、認知症高齢者が安心できる環境つくりとしての工夫を重ねている。
一方で、介護福祉士養成教育における課題については、生活支援技術習得に向けた観察学習の効果を確認した。コミュニケーション技術においては高齢者に合わせたコミュニケーションとして、生活歴に配慮したコミュニケーションの修得に向けて、回想法の技法を応用した効果について整理した。
現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、教育に与えた影響について整理し、密にならない生活支援技術習得に向けた工夫として360度カメラなどの活用を視野に入れた教材について検討している。