吉岡 志津世 ヨシオカ シヅヨ
Shizuyo Yoshioka
文学部 国際教養学科
教授
専門分野
アメリカ文学・文化研究、ジェンダー研究
研究テーマ
アフリカン・アメリカ文学・文化運動とアメリカニズムの脱構築
研究キーワード
アフリカ系アメリカ文学/ディアスポラ/人種・民族/エスニシティ/ジェンダー/越境/交差性/公民権/ホワイトネス
研究の概要
<研究内容>
移民の国ともいえるアメリカ合衆国で、唯一自らの意思に反して奴隷として「移動」させられたアフリカ系アメリカンの歩みを、文学・文化活動の視点から、「もうひとつのアメリカ」を記すものとして研究しています。アフリカ系アメリカンはアメリカ社会の周縁から主流社会の「アメリカニズム」を問い続けてきています。かれらのフォークロア、文学、音楽、ダンス、ファッションといった表現活動の研究は、人種・民族、階級、ジェンダーを分析軸とすることにより、アメリカニズムを相対化し、アメリカ社会の多層性、多義性を浮上させマイノリティーズの前景化、マジョリティの白人性そのものを問い直すことにつながります。ハーレム・ルネサンスのラングストン・ヒューズの実験詩の試み、リチャード・ライトの疎外とプロテスト、ジェームズ・ボールドウィンの承認と和解の苦闘、ウィリアム・スタイロンの白人性の深淵、アリス・ウォーカーのシスターフッドとキルト、黒人霊歌からヒップホップ・ミュージック、ポスト公民権のカラー・ブライドネス/カラー・コンシャスネス、多文化主義と文化論争が研究の射程です。
<研究のおもしろさ>
アフリカ系アメリカンの体験は特に1950年代半ばから1960年代にかけての公民権獲得運動に収斂し、アメリカニズムの転倒というパラダイムシフトの契機として読み解くことで、ポスト公民権の人種・民族状況を描き直すことも可能になりますし、かれらの体験からはさらに、ディアスポラ、越境と帰還、移民、多文化共生といったグローバルな問題系へ、あるいはブラック・フェミニズムが提起した差異の交差性(インターセクショナリティ)からの多様性/包摂の批判的検証へと関心分野を広げていくことができるところに研究のおもしろさがあります。
著書・論文等
主な担当授業
地域研究BI,II(アメリカ)/人権思想の系譜/ジェンダー論/言葉と文学II
シラバス
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